フィギュアスケート全日本選手権女子シングルで、浅田真央選手は5連覇を逃すも高得点をマークして2位になりました。直後に発表された世界選手権日本代表選手にも選出され、ファンの1人としてはホッとすることが出来た週末でした。 今回ショートプログラム2位から逆転した安藤美姫選手。彼女を筆頭に見応えのある演技を堪能できた2日間でした。それもこれも大会の主役・浅田真央選手がやっと彼女らしい笑顔が自然にこぼれるような演技を披露してくれたからなのです。 バンクーバーでの涙や、今シーズン開始を告げるグランプリシリーズでの予想以上の不振から、今回の全日本選手権は彼女にとってまさに正念場でした。 そんな中注目はショートプログラム開始そうそうに訪れる彼女の代名詞であるトリプルアクセル(3回転半)にありました。このジャンプが成功しさえすれば後はノッていける!私だけでなく多くの浅田真央ファンがそう思っていたことでしょう。 昨シーズン限りで現役引退をした中野選手もこのジャンプの数少ない使い手でした。その中野選手がいない今、トリプルアクセルを公式戦で取り入れている選手は浅田真央1人と言い切っても良いでしょう。 果たして運命のショートプログラムはやってきました。インターネットに接続していると放送前に結果がわかってしまう為、コンセントから外して(なぜ?)テレビ画面の前に陣取りました。片膝をつき両手を重ね合わせ1つの拳を作り顔の前にセットします。胸の前で十字を切って祈ることはただ1つ、「浅田真央に幸運を」。(ホントです) トリプルアクセルへの助走は心持ち迷いがあるように見受けられました。シーズン序盤で転倒を繰り返した嫌な感じがしたのですが、彼女は何とか着氷したのです。かなりギリギリの危うい着氷、成功と失敗は紙一重ですねえ。私の祈りが彼女を転倒の危機から救ったのだ!と当然のように勘違いしたのは言うまでもありません。そして、普段は全く信じてもいない神の存在をちょっぴりだけど信じても良いなと思えたメリークリスマスだったのです。 やはり彼女の笑顔は格別ですね。最高のクリスマスプレゼントとしてありがたく受け取りました。 見ている者みんなを幸せな気分にさせる存在。こんな大袈裟な表現が許される存在。浅田真央を入り口にしてフィギュアスケートの虜となった人を身近で何人か知っています。 私が幼い頃、長嶋茂雄の存在がいかに素晴らしかったかを夢中になって話す近所のオジサンやオバサンがいました。普段の朴訥な口調はどこへやら、身振り手振りを交え饒舌さを増す彼らの顔は一様に輝いていました。大人の昔話は子供にとってはうっとうしいものです。でも、不思議と長嶋話は聞いているこちらまで嬉しくなってしまうような、そんな無形文化財のようなお話でした。 そして、今年のジュニアチャンピオン庄司理紗選手!話題の14歳は噂に違わぬ逸材振りでした。何でしょう、彼女の演技は感情が激しく揺さぶられるというのではなく、見ているこちらを物凄く真剣にさせるのです。 ジャンプの着氷後が特に柔らかく滑らかで惚れ惚れしますね。次から次へと次世代の才能が現れる日本フィギュア界。まだまだ黄金時代だと思いますよ。
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